1.家族との連絡
閉じ込められれば、家族に会いたくなるのは自然な情です。閉じ込められてどこにも行けない、コーラが飲みたくても自動販売機に買いにも行けない、四六時中、檻の中でそれまでまったく縁のない人と一緒にいなければならず、プライバシーはまったくない、時々取り調べられるが、そこでは自分がしたこともないことをしたと認めろと言われる、なんていう環境の中に放り込まれた場合、そこでがんばるには、家族の顔を見て、言葉を交わすことが必要です。
2.家族との面会
閉じ込められても、家族が留置場に来てくれれば、面会はできます。ただ、接見室の中には警察官も一緒に入り、会話の内容をメモしたりするので、思う存分話すことができません。時間の制限もあります。
3.面会ができなくなる場合
それでも、面会できるだけましです。接見禁止という決定が下されれば、弁護士しか会えなくなります。たとえば、何人かの共犯で悪いことをしたような場合には、家族を通じて口裏合わせをすることを防ぐために、接見禁止になることがあります。覚せい剤を注射して捕まってしまい、その売人と連絡をとるんじゃないかと疑われた場合も同じです。
この決定が下された場合でも、それに対する不服申立をして、それを取り消ししてもらえることがあります。
もちろん、上に書いたように覚せい剤の売人と連絡をとるんじゃないかと疑われたような場合には接見禁止決定が取り消されることは期待できないでしょう。
ただ、家族とだけは会えるようにと不服を申し立てることはできます。当然にそれが認められるわけではありませんが、家族とだけは会えるように、接見禁止の一部解除が認められることはあります。
その申立てが必要なときには、弁護士に相談してください。
4.弁護士を通じた連絡
会えないまでも、連絡だけはしたいというときもあります。仕事上の連絡が必要な場合に、家族を通じて連絡するようなときです。このときには、接見に来た弁護士に連絡を頼んでください。
ただし、言うまでもないことですが、逃走の手助けをしてくれとか、証拠を隠滅してくれなどという連絡を弁護士が取り次ぐことはありません。
覚せい剤で捕まった人と接見したことがあります。挨拶をするとその人はすぐに「女房に連絡をとって欲しい。」と言い出しました。内容を尋ねると、「寝室にあるタンスの一番上の引出しの右隅に紙袋があるから、それを捨てるように妻に言って欲しい。」とのことです。紙袋の中に何が入っているのかを尋ねると、「子どものおもちゃが入ってる」。どうして捨てなきゃならないのかを尋ねると、「いらなくなったら」。急いで捨てなきゃならない理由があるのか尋ねると、「急いで捨てたいから。」。答えになっていません。突っ込んで聞いてみると、「急いで捨てたいから。」と何度か繰り返します。私が納得しないと見ると、最後は黙り込んでしまいました。
もちろん、こんな伝言はできません。