強盗と聞けば、すぐにみんなイメージが湧きますよね。人をぶん殴ってお金を奪うってあれですよね。

人にピストルを突きつけて、お金を取り上げるのも強盗です。私なんぞの言うまでもないことでした。

強盗罪とはどんな罪?

 強盗罪は刑法226条で定められている犯罪です。

"第236条 (強盗) 1.暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。"

 

 5年以上の有期懲役って書いてあります。最低でも5年です。懲役の場合、執行猶予は3年以下の懲役でないとつきませんから、絶対に実刑ということになります。必ずくらい込むわけです。

 懲役刑は原則として最長20年までですから、最長で20年、閉じこめられたままということになります。この場合、仮釈放がつくのも10年以上経ってからということなるでしょう。

 20年!生まれた赤ん坊が成人しちゃいますね。あ、成人は18歳になるんでしたっけ。でも、子どもが生まれた直後に逮捕されて、刑期満了釈放となれば、18歳であれ、20歳であれ、会ってもわかんないでしょう。こんな判決受けたら、人生終わっちゃいますね。

 強盗罪の刑は、ひどく重い刑だということになります。

 恐喝罪は249条で10年以下ということにされています。やっぱ、強盗は重いでしょ。

 ちなみに、強盗の犯人が被害者を傷つけたら、刑法240条で、無期または6年以上の懲役ということになっています。被害者が死亡すれば、死刑または無期懲役です。

 強盗罪は暴行または脅迫で財産を奪う犯罪でした。暴行というのは、別の条文との関連では被害者への殺意のある場合を含みません。ですから、この条文が定める強盗致死というのは、被害者を殺してやろうとは思っていなかったのに被害者が死んでしまったときを本来は言うものです。

 でも、最高裁は、殺してお金を奪ってやろうと思って暴行したときにも、この条文で死刑または無期懲役ということになるものとしています。処罰の必要性からは当然でしょうね。

 ただここでは、殺意がなくても強盗の犯人が人を死なせれば、死刑または無期懲役になってしまうことに注意してください。カツアゲでも程度が過ぎれば、恐喝ではなく、強盗になってしまいます。恐喝と強盗の差は微妙です。程度を考えずに殴ったり蹴ったりすれば、被害者が死んじゃうことも十分にありうることです。「カツアゲだから軽い刑で済むだろう、いっちょうやったるか。」なんて考えている人は、たいへんな考え違いをしていることになります。

 刑が重いか、軽いかということは別にして、毎日、被害者が枕元に立って全然眠れないなんてことになりたくないでしょう。

強盗罪で捕まえられたら?

 逮捕されてから最長23日間、閉じこめられて起訴されます。起訴されたら釈放されるわけじゃありません。起訴されて、保釈を請求して、裁判官が「いいよ~」と言ってくれたら、保釈金を積んで釈放されることもあります。でも、実際上、実刑判決が予想される事件で、裁判官が「いいよ~」と言ってくれることはないと思っておいた方がいいでしょう。仮に「いいよ~」となっても、保釈金は数百万円ってとこです。安くても、200万円は必要です。どうして工面しましょうか。そもそもそんなお金があれば、強盗なんかしませんよね。 起訴されて1ヶ月だの1ヶ月半だの経ったら、裁判が始まります。短ければですが・・・。

 無罪だと主張する場合、事前準備に時間がかかります。強盗致死だとかいうことになれば、無罪を主張しなくても裁判員裁判になるので、事前手続きにかなり時間がかかります。

 無罪を主張しない場合、1回の期日で結審し、1週間から10日後に判決が言い渡されるというのが最短でしょう。無罪を主張しなくても、被害者の調書に身に覚えのないことをしたとか書いてあって、それで刑が重くなりそうな場合とか、他の点で争わなければならないことがある場合、裁判も長くなります。

なにをすれば?

 身に覚えのないことで捕まえられた場合については、別のページを見ていただくことにして、ここでは身に覚えのある場合について説明します。

 まず、起訴の前後を問いません。示談交渉を進めるべきです。示談ができれば、可能性は小さいでしょうが、不起訴となる可能性がないこともありません。

 不起訴となれば、前科はつきません。逮捕された記録は残りますが、あまり表に出ることはありません。

 強盗で起訴するか、恐喝で起訴するかで検事が迷っているようなことがあれば、示談の成立がその判断に微妙に影響する可能性も皆無とは言えません。5年以上20年以下か、10年以下かの曲がり角です。恐喝罪となった場合、不起訴となる可能性も高くなります。

 強盗で起訴されたとしても、示談が成立していれば、言い渡される刑は軽くなります。レジの所にいた男性にスタンガンをつきつけてお金を奪おうとしたが、その男性に怒鳴り付けられて、スタンガンを押しつけもできず、逃げ出したという事件がありました。強盗未遂罪で起訴されましたが、私が奔走して、お店とその男性との間で示談ができました。父親がそれなりの社会的地位のある人で、身元引受人もその父親がなってくれました。判決は執行猶予でした。現実にスタンガンを使わなかったこと、未遂であったこと、それに示談ができたことから執行猶予となったもので、どれが欠けても実刑となったのではないかと思います。

 被害者のある犯罪では示談の効果は大きなものです。できるだけ示談を成立させることを目指さなければなりません。

 その他にもやるべきことはたくさんありますが、何よりも示談です。

 示談を目指そうという方は、早急に弁護士に相談すべきです。弁護士は交渉のプロです。それなりに信用もあるので、警察官や検察官は、犯人やその家族には被害者の連絡先を教えなくても、弁護士には教えるということもあります。  犯人の方は閉じこめられたままなので、家族が奔走する場合もありますが、家族をかばうあまり、被害者の神経を逆なでして示談をかえってむずかしくする場合もあります。示談を成立させたいのであれば、示談交渉に慣れた弁護士に任せるべきです。